西国番外
東光山 花山院(菩提寺)

(とうこうざん かざんいん(ぼだいじ))

 兵庫県三田市尼寺

 
JR宝塚線(福知山線)三田駅下車、神姫バス「乙原(おちばら)バレー」行きに乗車し、「花山院」で下車する。バス停から花山院まで徒歩約25分。
 バス停からの道は舗装されており、道幅も広いが、登りの急勾配であり、かなり厳しい。

 
宗派:真言宗花山院派(本山)

本尊:薬師瑠璃光如来


開基:法道仙人

 この寺は法道仙人が白雉2年(651年)に創建したと伝えられている。法道仙人は念持仏、仏舎利と鉄鉢だけを持ってインドから雲に乗ってこの地にきたと言われている伝説的な僧である。法道仙人は西国25番の清水寺や、西国26番の一乗寺なども創建したといわれている。
 元慶寺で出家し、徳道上人が中山寺に埋めた宝印を掘りだし、それに従って西国霊場を再興した花山法皇が、出家後41歳で生涯を閉じるまでの約14年間、この寺で隠棲生活を送っていたとされている。

 この寺の正式名称は「菩提寺」であるが、一般には通称名である「花山院」の方がよく知られている。

 参道の坂を上りきると「山門」が見える。寺の規模に合わせたのであろうか山門は大きくはない。ただ、山の中の寺らしい雰囲気を持った地味な山門である。

 山門をくぐると手水鉢が置かれており、その奥に坐像が安置されているが、これが花山法皇の像なのであろうか。ただ、この像は造られてから、時日があまり経過していないように思われる。

 山門をくぐり石段を上がると「花山法皇殿」の札がかかった小ぶりな「本堂」の前に出る。

 本堂には木造花山法皇像が祀られているといわれているが、内部にガラス戸があり、しかも暗く、直接の拝観はできなかった。

 

 
本堂(花山法皇殿)の右側には、やはり小ぶりな「薬師堂」が建っている。ここは西国薬師第21番霊場になっており、薬師堂には本尊の薬師如来が安置されているようである。

 
花山法皇もこの景色を見たに違いない。

境内から遠く千丈寺紅葉の季節眺める

御詠歌
 
有馬富士ふもとの霧は海に似て波かときけば小野の松風