西国第十三番
石光山 石山寺

(せっこうざん いしやまでら)

 滋賀県大津市石山寺

 
JR東海道本線(琵琶湖線)「石山」駅下車。近くの京阪石山坂本線「京阪石山」駅から京阪電車に乗車し終点の「石山寺」駅で下車し、南の方向へ徒歩約10分。
 又は、JR東海道本線(琵琶湖線)「石山」駅下車。駅前より「大石小学校前」(バスの行き先表示は「大石」になっている)行き、「新浜」行きなど「石山寺山門前」を通る京阪バスに乗車し、「石山寺山門前」で下車すぐ。。


宗派:東寺真言宗大本山

本尊:二臂如意輪観世音菩薩

開基:良辨僧正

 東大寺の大仏鋳造のための黄金を得るために、聖武天皇は良辨僧正に祈願を命じた。比良明神のお告げに基づき、良辨僧正が石山の霊地で祈願を行ったところ、陸奥の地で黄金が発掘されたという。

 天平勝宝元年(749年)に良辨僧正はこの地に石山院を設けたといわれており、これが石山寺の創始と伝えられている。

 一方、平城京を建設するに際し、瀬田川を通じて奈良に木材を運んだようで、それを監督する役所を石山に置いたといわれている。この役所が石山寺の起源であるという説もある。

 その後、天平宝字5年(761年)に増改築が行われ石山寺の体裁が整えられたとされている。10世紀の初めには宇多法皇の行幸が何回かあったようで、それ以来、都の皇族、貴族たちの石山寺への祈願が流行し、また、祈願参籠の後、琵琶湖での舟遊びなど遊覧の地としても栄えたといわれている。


 

 石山寺の境内入り口に当たる山門は「東大門」と呼ばれ瀬田川に面して建てられている。

 「東大門」は建久元年(1190年)に源頼朝の寄進により建てられとされ、その後、慶長年間に大修理が行われているという。

重要文化財に指定されている。

 

 中央やや右側に見える花頭窓のある場所が「紫式部源氏の間」である。今から約千年前の寛弘元年八月、紫式部はこの部屋から名月が湖面に映る景色を見て構想の赴くままに筆を採ったのが「源氏物語」であるという。ただ、源氏物語の構想は月光に照らされた珪灰石の石群を見て生まれたもの、ともいわれている。

 「本堂」は国宝に指定されている。

 「紫式部源氏の間」には執筆している紫式部の人形が置かれているが、これを金網越しに見ることができる。
 

 本堂の東北側でやや高い場所に「多宝塔」が建てられている。この塔は建久5年(1194年)に源頼朝の寄進で建てられ、慶長年間(1596〜1615年)に修理が行われたようで、日本最古の多宝塔といわれている。

 

 展望台の脇に「月見亭」が建っている。ここは石山秋月として知られている名月観賞の場所である。

 

御詠歌:
後の世を願うこころはかろくともほとけの誓いおもき石山
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