西国第二十番
西山 善峰寺

(にしやま よしみねでら)

 京都市西京区大原野小塩町

 
阪急京都線東向日駅下車、阪急バス小塩(おしお)行きに乗車し終点小塩で下車する(バス乗車時間:約20分)。バス停から寺まで徒歩約30分。バス停からの道は舗装されており道幅も広いが、登り坂が続く(かなり嶮しい場所もある)。
 

宗派:天台宗

本尊:千手観世音菩薩

開基:源算上人

 比叡山の僧源算が長元2年(1029年)にこの地に小堂を建て、十一面千手観音像を刻み本尊としたのが当寺の開創と伝えられている。
 長元7年(1034年)に後一条天皇から良峰寺の寺号を賜り、鎮護国家の勅願所と定められた。
 以後、天皇の崇敬篤く、長久3年(1042年)には後朱雀天皇が鷲尾寺の千手観音像をここに移し、本尊として祀ったといわれている。
 白河天皇が諸堂を建設し、後に、後花園天皇が伽藍を改築、大いに栄えたが、応仁の乱により、これら全てを焼失したという。
 その後、元禄年間に徳川五代将軍綱吉の生母、桂昌院の寄進により寺は復興したとされている。

 かなり急勾配の参道を上がると、大きな「山門(仁王門)」が眼前に現れる。山門は大きく複雑な造りの門である。

 現在の山門は元禄5年(1692年)に再建されたものといわれ、山門両脇の金剛力士像は運慶の作という。


山門をくぐり、石段を上がると「本堂(観音堂)」に出る。
                               

 本堂は元禄5年(1692年)に再建されたもので、本尊の千手観世音菩薩は仁弘法師の作とされ、脇立の千手観世音菩薩は源算上人の作といわれている。

 本堂の横の石段を上がったところ、経堂と多宝塔の傍に、「遊龍の松」が植えられている

 この「遊龍の松」は天然記念物に指定されている五葉松であり、善峰寺は別名「松の寺」と言われているのは、この遊龍の松によっているらしい。善峰寺を有名にしている要因の一つは遊龍の松にあると言えるようである。
 

 
株から左側(北側)は数mの位置で松の木が切り取られているのがわかるが、平成6年に松食い虫のために枯れ、切り取られた。

 
地表1m程の高さで西側に延びている部分で、その長さは30m程ある。

御詠歌
 野おも過ぎ山路に向かう雨の空善峰よりも晴るる夕立