西国第二十三番
應頂山 勝尾寺

(おうちょうざん かつおうじ)
 大阪府箕面市粟生間谷

 
北大阪急行電鉄千里中央駅下車、阪急バス北摂霊園行[54系統]に乗車し、勝尾寺で下車すぐ(バス乗車時間:約40分)。
  バスを利用しない場合は阪急箕面線箕面駅で下車、勝尾寺まで徒歩約1時間50分。

宗派:高野山真言宗

本尊:
十一面千手観世音菩薩

開基:開成皇子と善仲、善算

 双子の兄弟、藤原善仲と善算が神亀4年(727年)に庵を結び修行しているとき、一人の修行者に出会う。この修行者は光仁天皇の皇子、開成皇子であったという。
 兄弟は般若経の書写を開成皇子に託し、相次いで世を去る。開成皇子は宝亀6年(775年)に書写を完成し、堂を建てて経を納め、十一面千手観世音菩薩を安置し、この寺を『弥勒寺』と命名したとされている。
 その後、行巡上人の代に、清和天皇の病気治癒の祈祷を行い、天皇の病が癒えたことから、寺の法力が王に勝ったということで、天皇が『弥勒寺』を『勝王寺』に改名したという。しかし、寺側はあまりにも畏れ多いとして、『王』を『尾』に変え『勝尾寺』としたと伝えられている。
勝尾寺は箕面国定公園内にあり、春は桜、秋は紅葉で有名な観光名所でもある。
 
 楼門様式で『応頂山』の額が掲げられている「山門」をくぐると、本堂など各堂宇まで参道が続いている。晩秋にはこの参道の両側の楓が見事に紅葉する。

 参道の突き当たり左手前方石垣の上に本堂が建っているのが見える。
境内に置かれたダルマ
 勝尾寺が勝利祈願の寺として有名になったのは、源氏、足利氏など歴代の武将が勝運祈願をしたことに由来しているらしい。

 
本堂は朱塗りも鮮やかな改修直後の「本堂」を拝観することができた。
 

 突然の雪であたりは真っ白に

 
薬師堂本堂の西側、やや奥まった小高い場所に「薬師堂」が建っている。
現存する「薬師堂」は源頼朝が建立したといわれている堂で、勝尾寺の中で最古の建物である。
  開成皇子の作と伝えられている薬師如来像と脇侍像は本尊として「薬師堂」に安置されていたという。現在、これら仏像は重要文化財に指定され「宝物館」に保存されているようである。


 

 本堂」の東側に建っている朱塗りも鮮やかな塔が「多宝塔」である。

 10月下旬から11月下旬の紅葉の季節には周囲の紅葉にとけ込んで美しい。

御詠歌

重くとも罪には法(のり)の勝尾寺(かちおでら)ほとけを頼む身こそやすけれ