西国第二十九番
青葉山 松尾寺

(あおばさん  まつのおでら)
 京都府舞鶴市松尾

 
JR小浜線「松尾寺」駅下車(小浜線の運転頻度は1時間に1便以下、運休日もあり、要注意)。南の方向へ少し進むと国道27号線に出る。国道の交通量は非常に多い。国道を東の方向へ約15分歩くと松尾寺への参道の標識が見える。それに従い、国道と別れ、北東〜北の方向に進む。松尾寺まで一本道である。JRの駅から寺まで徒歩約50分。
 東舞鶴駅から京都交通バスを利用することもできる。「松尾寺口」で下車し、以後、松尾寺まで徒歩約35分。(吉)は「吉坂」行きなので終点まで乗車し、以後、松尾寺まで徒歩40分弱。
 
宗派:真言宗醍醐派

本尊:座像馬頭観世音菩薩

開基:威光上人

 中国から渡来した威光上人が青葉山中の松の大木の下で修行中に馬頭観音像を感得し、慶雲5年(708年)にこの松の木の下に草庵を造り、観音像を安置したのが松尾寺の創始とされている。
 この霊験が都に伝わり、8世紀初頭に元明天皇(707〜715年)は藤原武智麻呂に命じ、本堂を建立させ、馬頭観音を刻ませたという。

 現存の仁王門は江戸中期、享保15年〜享和2年(1730〜1802年)に建てられたものといわれ、風格のある建物である。

 「仁王門」は京都府の文化財に指定されている
                  
  仁王門をくぐり直進し、石段を上がると目前に「本堂」及び「手水所」が見える。

 本堂は二重屋根の特異な形状をした宝形造りであり、本堂正面にある「手水所」の屋根も宝形造りである。

 現存の「本堂」は享保5年に着工し、10年の歳月をかけ享保15年(1730年)に完工したものといわれており、京都府の文化財に指定されている。

 本堂拝所」で、本尊は8世紀初頭に刻まれた馬頭観世音菩薩で、その胎内に威光上人が感得したとされる馬頭観音像が納められているという。

 現存の本尊は松尾寺創建時の本尊そのものであるかどうかは定かでないが、現本尊は10世紀末に馬頭観音の化身といわれた流木で刻まれたものとされている。

 なお、本尊は秘仏であり、直接の拝観は出来ないが、前立ちの馬頭観世音菩薩像は本尊とそっくりに造られているという。


御詠歌
そのかみは幾世(いくよ)経ぬらん便りをば千歳もここに松の尾の寺