西国第六番
壷阪山 南法華寺(壺阪寺)

(つぼさかさん みなみほっけじ(つぼさかでら))


 奈良県高市郡高取町壷阪
 
鉄吉野線壷阪山駅から、奈良交通バスで終点壺阪寺下車、
徒歩約5分


宗派:真言宗豊山派

本尊:千手千眼観世音菩薩

開基:弁基上人

 壷阪山に庵を結んでいた弁基上人は水晶の壷を愛でていたが、大宝3年(703年)、その壷の中に千手観音像を感得したという。弁基上人はその姿を刻み、像を庵に安置したとされており、これがこの寺の創始とされている。
 元正天皇はこれを知り、養老元年(717年)に八角殿を建て、ここに壷と観音像を安置し、南法華寺の名を与えたという。
 南法華寺は眼病患者を救う観音を祀る寺として有名になったのは明治時代になってからだろう。

 この寺は「南法華寺」という正式名称よりも「壷阪寺」や「壷阪観音」の名でよく知られている。

 大石堂の横の石段を上がると回廊があり、目前に国の重要文化財に指定されている「三重塔」が見える。

 「三重塔」は明応6年(1497年)に竣工したとされており、宝永7年(1710年)に大修理が行われたという。

 三重塔の傍に、国の重要文化財に指定されている「礼堂」が建っている。礼堂にピッタリ密接して「本堂」の八角円堂があり、礼堂は本堂に祀られている「本尊」を礼拝するために造られたものであろう。

 礼堂はその建築様式から、室町時代中期以前に建てられたものとされている。


 本堂は江戸時代後期に再建されたものらしい。

礼堂と本堂との間には隔壁がなく、本堂の中に自由に入ることが可能で、本尊に近寄って直接拝観できる。

  本堂の中は本尊を中心としてその回りをぐるりと廻ることが出来るようになっている。

 大涅槃石像の前から大観音石像が遠望できる。

 

御詠歌:

岩をたて水をたたえて壷阪の庭のいさごも浄土なるらん
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